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エトナの独り言

エトナの独り言

1-3

あ‘あ‘あ‘あ‘~。
まだ酒が残ってる感じがする。
頭が痛いよ…。

空は白み始めた。
いよいよ出発って時にこんな調子なんて…。
重たい甲冑をみにつけながらうだる頭をスッキリさせようと苦虫を一つ口にくわえる…。
いつも思うけれど馴れないな、こういうの…。
フレイさんの影響で何でも口にはできるようになったがいかんせん虫はまだ苦手だ…。

閃光玉、回復薬、回復薬G、ハチミツと調合書と食料とピッケルとピッケルG。
大金はたいて買ったお守りと爪。
『お願い、この地を再びふむためにあたしを守って…』
鏡を見ることなくうつむきながら握り締めたお守りと爪を握り締めて呟く…。

準備は…整った。
荷物を背負い静かに扉を開いた。

酒場は夕べのにぎやかさはないものの、まだハンター達の宴は続いている。
そんないっかくにひっそりとフレイさんとドレイクさんがたたずむ。
『ルミナ、来たか…。』
フレイさんは重い面持ちで呟いた。
『おはようございます、フレイさんドレイクさん。ラルフさんはまだなんですか?』
『色男には身だしなみも必要なんだそうだ。きっと一番早く起きているだろうが、まだきやがらねぇよ。あいつはいつもそうだがな。』
ドレイクさんは昨日とまったく変わらない難しい顔をしながら話した。
基本的に毒づく人なんだろう。

『あんたも座ってなんか食べておきな。船旅は長いよ』
あまり食べる気はなかったが、テーブルにすわりトースト、コーヒーを口に運ぶ。そうしているとラルフさんが来た。
『いやぁ、遅れちゃってすまないね。ルミナ、ちゃんと眠れたかい?』
『は、はい…。なんとか…。』
ドレイクさんが毒づきたくなる気持ちも分かったような気もする。
鎧はしっかり磨きこまれ髪型もぴっちり別れている。
装備もそこまで必要あるの?と思うまでに綺麗に矢筒に矢が収まっている。
『まぁた不機嫌そうな顔してるんだな、ドレイク。ちゃんと出発時間には遅れていないんだからいいじゃないか。』

薄ら笑いを浮かべながらも銀色に光り輝く鎧を見せびらかしつつテーブルの片隅に座る。
少なく盛られている小さなコーヒーカップを人差し指と親指でつまむように持ち上げ熱そうにすすっている。
よく見るとその銀色の鎧、リオレウスの鎧にも見えなくない。
しかし、色も違えば、なんか品格って言うのかな!?そういったものも違って見えてくる。
ちらと目が合ったが、少し話をして朝食を取っていた。

『そろったようだからそろそろ出向しよう。船は待たせてあるから。』
フレイさんの言葉にみなが席を立つ。
おのおの瓶やらいろんな道具をぶら下げたりかばんに入れていたり、ガチャガチャ音を立てながら港に向かう。
思っていたよりもみな軽装だ。
あたしはといえば大き目のサイドバックのほかにいろいろなものがピッケルやら飛び出かかったリュックをしょっている。
あたしはその中にまだ虫や石などが含まれているけれど。
他の方は攻撃補助のものと回復用のものそういったものが多いようだけれど動きやすいものになっているようだ。


言いつけだからきっと何か必要なんだと思う、そう信じてる。
何もなくフレイさんがそういうとは思えないから。

そして薄暗い港に大きく浮かぶ船影…。
あたしたちの乗る船が見えてきた…。


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